硝子体手術とは
硝子体(しょうしたい)手術とは、主に網膜や網膜の中央にある黄斑部の病気を治療するために行われる手術です。
硝子体は眼球内の大部分を満たしている透明なゼリー状の組織です。網膜は硝子体のさらに奥、目の一番奥の組織で神経に相当する部分です。この硝子体や網膜に異常を生じると著しく視力が障害されてしまうため、それぞれの疾患に応じた処置をする手術が硝子体手術です。
硝子体手術の方法
局所麻酔がしっかり効いてから眼球表面の白目の部分に極小の穴(0.4㎜~0.5㎜)を3ヶ所開けて、そこから眼球内に手術器具を挿入して行います。これらの器具を使用し病的な硝子体や増殖膜を取り除いたり、剥がれた網膜を復位させたりとそれぞれの病気に応じた処置を施した後、取り除かれた硝子体の代わりに眼球の形状を保つ灌流液(かんりゅうえき)、疾患によっては医療用ガスなどを注入し手術が終了します。病気の種類や症状の程度によりますが、手術の所要時間は60~90分程度となります。
また、医療用ガスを注入した場合は、そのガスの浮力によって網膜を眼底に押しつけて定着させる必要があるので、手術後1週間程度はできるだけうつぶせなどの姿勢で過ごす必要があります。
当院における硝子体手術の特徴
硝子体手術の技術の進歩によって傷口が以前より小さくなり、白内障手術と同じように低侵襲な日帰り手術が可能となりました。当院で行う最新の硝子体日帰り手術では白内障手術よりも傷口が小さい25ゲージか27ゲージ(0.4㎜~0.5㎜)で行うためほとんどの症例で傷口を縫うことなく手術を終了することが可能です。そのため術後の白目の出血や、ゴロゴロした違和感が軽減された安全かつ低侵襲な硝子体手術となっております。
1.日帰り手術で負担の軽減
患者さんに負担が少なくて済むように、日帰り手術で実施しています。その為、身体的、精神的、経済的な負担を軽減でき、入院治療よりも早期社会復帰が可能です。
2.白内障と同時手術が可能
白内障と同時手術が可能です。主に加齢などが原因で起こる網膜・黄斑疾患では、白内障を患っている患者さんも多くいらっしゃいます。その場合、手術が一回で済むように同時手術を実施しております。
3.緊急手術:難易度の高い手術への対応
裂孔原性網膜剥離等の緊急性が高い疾患にも対応しており安心して手術を受けていただけます。
4.万全な感染症対策
感染症対策、手術後の合併症に対する対策も万全に行っております。患者さんに安心して手術を受けていただける体制を整えております。